固定資産の売却とは?パターン分け不要の4ステップ解法をわかりやすく解説
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こんにちは。まねきねこ(@lucky_cat_037)です。
固定資産の売却は、簿記3級でよく出る、必ず押さえておきたい論点です。ところが実際に問題を解いてみると、次のようなところで手が止まってしまうことはありませんか。
「これは売却損になるのか、それとも売却益なのか」「期の途中で売ったときだけ、なんだか解き方が違う気がする」
固定資産の売却は、「安く売ったとき」「高く売ったとき」「期の途中で売ったとき」と場面ごとに解き方を覚えようとすると、覚えることがどんどん増えていきます。しかもどれも似ているので、覚えたつもりでも取り違えが起こります。先ほど挙げた「損か益か」「期の途中だけ違う気がする」の2つは、どちらもこの覚え方から生まれる迷いです。
先に結論をお伝えすると、固定資産の売却に、場面ごとの解き方は必要ありません。安く売っても、高く売っても、期の途中で売っても、いつも同じ4つのステップで仕訳が書けます。この記事では、その4ステップを身につけることをめざしましょう。
この記事では以下のことがわかります。
- 固定資産を売ったとき、帳簿の上で何が起きているのか
- 場面で分けずに解ける4つのステップ
- 期の途中で売ったときの月割計算(使った月数の分だけ減価償却費を出す計算)のしかた
なお、この記事で扱う固定資産の売却は、簿記3級の試験範囲です。減価償却の月割計算も3級で出題されます。
また、この記事の仕訳は、簿記3級で学ぶ間接法で書いています。2級で学ぶ直接法との違いは減価償却の仕訳の記事で解説していますので、あわせてご覧ください。

えっ、期の途中で売ったときも同じ手順でいいの?あそこだけ月割の計算が入るから、別ものだと思ってた。

そう思うよね。でも、月割の計算が増えるだけで、手順の考え方そのものが変わるわけじゃないんだ。まずは「売ると帳簿で何が起きるのか」から見ていこう!
固定資産の売却とは?売ったときに帳簿で起きること
まずは、固定資産を売ると帳簿の上で何が起きるのかを確認してみましょう。使わなくなった備品や車を売るのは、会社でも起こることです。このとき帳簿ですることは、次の3つです。
- 固定資産を帳簿から消す
- 受け取った代金を計上する
- 差額を損益として計上する
1つ目の固定資産を帳簿から消すは、そのままの意味です。売ってしまえばその資産はもう手元にないので、帳簿からも取り除きます。間接法では、備品などの資産の科目と、これまで減価償却してきた分を積み上げてある減価償却累計額の両方を消すことになります。
2つ目の受け取った代金を計上するも難しくありません。現金で受け取ったのなら、現金が増えます。
そして3つ目が差額を損益として計上するです。帳簿から消した金額と、受け取った代金がぴったり同じになることは、まずありません。そこで生まれた差額を、固定資産売却損という費用、または固定資産売却益という収益として計上します。費用や収益といった分け方があいまいな方は、簿記の5要素の記事もあわせてどうぞ。
ここでポイントになるのが、3つ目の差額を出すときに基準となる金額は、買ったときの金額ではないという点です。
間接法では、資産の科目に買ったときの金額、つまり取得原価がそのまま残っています。1つ目でその資産の科目と減価償却累計額の両方を消すので、帳簿から消える正味の金額は、取得原価から累計額を差し引いた金額になります。これが帳簿価額、つまりいま帳簿がこの固定資産を記録している金額です。
取得原価 − 減価償却累計額 = 帳簿価額
だから、受け取った代金と突き合わせる相手も帳簿価額になります。買ったときの金額は、減価償却を始める前の出発点にすぎないのですね。
ここまでが、売却そのもので帳簿にすることです。なお、期の途中で売った場合は、これに当期分の減価償却費を計上する手順が加わります。あとで見る4つのステップは、この3つに減価償却費の計上を組み込んで、迷わず書ける順番に並べ直したものです。

買った金額そのものじゃなくて、これまで減価償却してきた金額を引いた金額と比べるんだね。

そのとおり。ここを取り違えると、求める損益の金額がまるごと変わってしまうんだ。このあと見ていく4つのステップも、1つ目が帳簿価額を落とすことなんだ!
なぜ「パターン分け」で混乱するのか
固定資産の売却は、次の3つに分けて説明されることがあります。順に見てみましょう。
| 覚えること | |
| 帳簿価額より安く売った | 差額が固定資産売却損になる |
| 帳簿価額より高く売った | 差額が固定資産売却益になる |
| 期の途中で売った | 月割で減価償却費を出してから差額を求める |
この覚え方自体は間違っていません。ただ、これだと仕訳を書き始める前に「これはどの場面だったか」を判断する一手間が入ります。その判断で迷えば、手はそこで止まります。
ではそもそも、この3つは本当に違うことをしているのでしょうか。
安く売った場合も高く売った場合も、することは同じです。帳簿価額と受け取った代金の差額を出せば、それが売却損になるか売却益になるかは自然に決まるだけ。期の途中で売った場合に加わる当期分の減価償却費も、4つのステップにはじめから組み込まれています。
つまり3つとも、同じ手順をたどっているということです。
だからこそ、固定資産の売却は共通の4つのステップで考えられるのです。次の章では、その4ステップを1つずつ確認します。
パターン分け不要の4ステップ
ここからが、この記事の中心です。固定資産の売却は、次の4つのステップを上から順にたどるだけで仕訳が書けます。

①から④まで、上から下へ一本道です。各ステップの下に添えた一行が、そこで書くものを示しています。下の帯にあるとおり、たどる順番はどの場面でも変わりません。
これから各ステップで示す仕訳は、完成までの途中経過です。ひとつの仕訳を少しずつ組み立てていくので、途中の表では借方と貸方の金額が一致しません。一致するのは、ステップ④で売却損益を入れて完成したときです。
先ほど見た「帳簿ですること」の3つと並べると、どのステップがどれに当たるのかがはっきりします。
| 帳簿ですること | 4ステップ |
| 固定資産を帳簿から消す | ステップ① 期首の帳簿価額を落とす |
| (3つには含まれない) | ステップ② 当期分の減価償却費を計上する |
| 受け取った代金を計上する | ステップ③ 受け取った代金を計上する |
| 差額を損益として計上する | ステップ④ 差額で売却損益を計上する |
順番にも意味があります。①と②で借方・貸方に置く固定資産まわりの金額が決まり、③で受け取った代金が決まる。そこまで書けば、④の差額は自動的に出てきます。それでは、ひとつずつ確認します。
ステップ① 期首の帳簿価額を落とす
最初にやるのは、売った固定資産を帳簿から取り除くことです。間接法では、資産の科目を貸方に、減価償却累計額を借方に書きます。どちらも帳簿から消すための記入です。
資産の科目は借方に残っているので、消すには貸方に書きます。減価償却累計額は貸方に積み上がっているので、消すには借方に書く——という関係ですね。
ここで貸方に書く資産の科目は取得原価の全額、借方の減価償却累計額は期首の時点までに積み上がった分です。当期に入ってからの分は、まだ積み上げていないのでステップ②に回します。
仕訳にすると、この形です。金額は問題ごとに変わるので、ここでは記号で置いておきます。
| 借方科目 | 金額 | 貸方科目 | 金額 |
| 減価償却累計額 | 〇〇 | 備品などの資産の科目 | △△ |
※減価償却累計額は資産のマイナス(評価勘定)です(残高は貸方側になります)
このステップで決まること:帳簿から取り除く固定資産の金額(取得原価と、期首までの減価償却累計額)
ステップ② 当期分の減価償却費を計上する
次に、当期に入ってから売却日までの減価償却費を計上します。売却日までは、その固定資産を使っていました。使った期間の分は費用にしておく必要があるので、ここで計上します。なぜ使った分を費用にしていくのかは減価償却の目的の記事で解説しています。金額は使った月数の分だけ月割で計算します。
ここで書くのは借方の減価償却費だけです。1年の帳簿を締める決算のときは貸方に減価償却累計額を立てますが、売却の仕訳では立てません。売却でその固定資産は帳簿から消えるので、当期分を累計額に積み上げる必要がないのですね。
| 借方科目 | 金額 | 貸方科目 | 金額 |
| 減価償却費 | □□ |
ステップ①と合わせると、ここまでで次のところまで書けています。
| 借方科目 | 金額 | 貸方科目 | 金額 |
| 減価償却累計額 | 〇〇 | 備品などの資産の科目 | △△ |
| 減価償却費 | □□ |
※減価償却累計額は資産のマイナス(評価勘定)です(残高は貸方側になります)
期首に売った場合は、使った期間がありません。だからこの金額は0円になり、仕訳にも登場しません。ステップが消えるのではなく、金額が0円になるだけ——ここが、期首に売っても期の途中に売っても手順を分けなくてよい理由です。
このステップで決まること:当期分の減価償却費の金額(期首売却なら0円)

じゃあ期首に売っても、たどる手順そのものは同じなんだね。

そう。だから毎回このステップを頭の中で通すことが大事なんだ。「当期分はいくら?」と必ず一度たずねる癖がつけば、期中売却で計上し忘れることがなくなるよ!
ステップ③ 受け取った代金を計上する
受け取った代金を計上します。現金で受け取ったなら借方に現金、代金をあとで受け取るなら、商品以外のものを売った未収の代金を表す未収入金です。金額は問題文で与えられる売却代金をそのまま使うので、迷うところはありません。
| 借方科目 | 金額 | 貸方科目 | 金額 |
| 現金 | ◇◇ |
ここまでを合わせると、こうなります。
| 借方科目 | 金額 | 貸方科目 | 金額 |
| 減価償却累計額 | 〇〇 | 備品などの資産の科目 | △△ |
| 減価償却費 | □□ | ||
| 現金 | ◇◇ |
※減価償却累計額は資産のマイナス(評価勘定)です(残高は貸方側になります)
このステップで決まること:受け取った代金の金額と、その科目
ステップ④ 差額で売却損益を計上する
最後に、ここまでで書いた借方と貸方の差額を埋めます。借方が足りなければ固定資産売却損、貸方が足りなければ固定資産売却益です。
ここが4ステップのいちばんの利点です。損か益かを先に考える必要はありません。①から③までを書き終えた時点で、どちら側がいくら足りないかは決まっています。その足りない側に売却損益を置けば、仕訳は完成します。安く売ったか高く売ったかで手順を分けなくてよいのは、このためです。
「安く売ったから損」「高く売ったから益」と判断してから書く必要がないので、損と益を取り違える余地がなくなります。
ここでは、貸方が▽▽だけ足りなかった場合を例にしてみます。足りないのは貸方なので、貸方に固定資産売却益を置きます。
| 借方科目 | 金額 | 貸方科目 | 金額 |
| 固定資産売却益 | ▽▽ |
これで仕訳が完成しました。
| 借方科目 | 金額 | 貸方科目 | 金額 |
| 減価償却累計額 | 〇〇 | 備品などの資産の科目 | △△ |
| 減価償却費 | □□ | 固定資産売却益 | ▽▽ |
| 現金 | ◇◇ |
※減価償却累計額は資産のマイナス(評価勘定)です(残高は貸方側になります)
このステップで決まること:売却損益の金額と、借方・貸方のどちらに置くか
4つのステップは以上です。次の章からは、この手順を実際の例題に当てはめていきます。
このあと例題を3つ用意していますが、これは3つの解き方を覚えてもらうためではありません。いま見た4ステップが、どの場面でもそのまま通用することを確かめるためのものです。3つとも同じ順番でたどっていくので、そこを見ながら読んでみてください。
例題1:帳簿価額より安く売った場合(固定資産売却損)
では、4ステップを実際に使ってみます。まずは期首に、帳簿価額より安く売った場合です。
- 取得原価 100,000円の備品を売却した
- 使える年数(耐用年数)は 5年、使い終わったときの見積り価値(残存価額)は 0円、毎年同じ金額ずつ減らす定額法で減価償却してきた
- 売却時点で、2年分の減価償却が終わっている
- 代金は現金で受け取った
- 売却価額は 50,000円
- 売却したのは期首
1年あたりの減価償却費は 100,000円 ÷ 5年 = 20,000円。2年分が終わっているので、期首の減価償却累計額は 20,000円 × 2年 = 40,000円です。
それでは、ステップ①から順にたどります。
ステップ① 期首の帳簿価額を落とす
貸方に備品を取得原価の全額100,000円、借方に減価償却累計額を期首までの40,000円で書きます。
| 借方科目 | 金額 | 貸方科目 | 金額 |
| 減価償却累計額 | 40,000 | 備品 | 100,000 |
※減価償却累計額は資産のマイナス(評価勘定)です(残高は貸方側になります)
ステップ② 当期分の減価償却費を計上する
期首に売っているので、当期に使った期間はありません。当期分の減価償却費は0円なので、書くものはありません。
ステップ③ 受け取った代金を計上する
現金で50,000円を受け取ったので、借方に現金を書きます。
| 借方科目 | 金額 | 貸方科目 | 金額 |
| 減価償却累計額 | 40,000 | 備品 | 100,000 |
| 現金 | 50,000 |
※減価償却累計額は資産のマイナス(評価勘定)です(残高は貸方側になります)
ステップ④ 差額で売却損益を計上する
ここまでで借方は 40,000円 + 50,000円 = 90,000円、貸方は 100,000円です。借方が10,000円足りないので、借方に固定資産売却損10,000円を置きます。
| 借方科目 | 金額 | 貸方科目 | 金額 |
| 減価償却累計額 | 40,000 | 備品 | 100,000 |
| 現金 | 50,000 | ||
| 固定資産売却損 | 10,000 |
※減価償却累計額は資産のマイナス(評価勘定)です(残高は貸方側になります)
これで貸借とも100,000円になり、仕訳が完成しました。
確かめ算:売却時の帳簿価額は 100,000円 − 40,000円 = 60,000円。60,000円のものを50,000円で売ったので、差額の10,000円が固定資産売却損。仕訳と一致します。
例題2:帳簿価額より高く売った場合(固定資産売却益)
次は期首に、帳簿価額より高く売った場合です。
- 取得原価 100,000円の備品を売却した
- 使える年数(耐用年数)は 5年、使い終わったときの見積り価値(残存価額)は 0円、毎年同じ金額ずつ減らす定額法で減価償却してきた
- 売却時点で、2年分の減価償却が終わっている
- 代金は現金で受け取った
- 売却価額は 70,000円(例題1は50,000円)
- 売却したのは期首
例題1と違うのは売却価額だけです。取得原価も減価償却累計額も、売った時期も同じなので、ステップ①と②は例題1とまったく同じになります。
| 借方科目 | 金額 | 貸方科目 | 金額 |
| 減価償却累計額 | 40,000 | 備品 | 100,000 |
※減価償却累計額は資産のマイナス(評価勘定)です(残高は貸方側になります)
ステップ③で、現金70,000円を借方に書きます。
| 借方科目 | 金額 | 貸方科目 | 金額 |
| 減価償却累計額 | 40,000 | 備品 | 100,000 |
| 現金 | 70,000 |
※減価償却累計額は資産のマイナス(評価勘定)です(残高は貸方側になります)
変わるのはステップ④です。ここまでで借方は 40,000円 + 70,000円 = 110,000円、貸方は 100,000円。例題1とは逆に、貸方が10,000円足りません。だから貸方に固定資産売却益10,000円を置きます。
| 借方科目 | 金額 | 貸方科目 | 金額 |
| 減価償却累計額 | 40,000 | 備品 | 100,000 |
| 現金 | 70,000 | 固定資産売却益 | 10,000 |
※減価償却累計額は資産のマイナス(評価勘定)です(残高は貸方側になります)
これで貸借とも110,000円になり、仕訳が完成しました。
確かめ算:売却時の帳簿価額は 100,000円 − 40,000円 = 60,000円。60,000円のものを70,000円で売ったので、差額の10,000円が固定資産売却益。仕訳と一致します。
例題1と比べてみてください。書いた順番も、売却損益より前に書いた科目もすべて同じです。変わったのは足りない側が借方から貸方に入れ替わり、置く科目が固定資産売却損から固定資産売却益になった点だけです。ステップ④までたどり着いた時点で、答えはもう決まっていました。
ここまでの例題1と例題2を、1枚の図にまとめておきます。基準になる帳簿価額60,000円を左端に置き、そこから横に伸ばした線の下に例題1の売却価額50,000円、上に例題2の70,000円を並べました。

左に置いた帳簿価額60,000円が基準です。売却価額がその上にあれば固定資産売却益、下にあれば固定資産売却損になります。どちらも帳簿価額との差額10,000円で、変わるのは損か益かだけ——これが、場面で分けなくてよい理由です。
例題3:期の途中で売った場合(月割計算)
最後は期の途中で売った場合です。ここで初めて、ステップ②の金額が0円以外になります。
- 取得原価 100,000円の備品を売却した
- 使える年数(耐用年数)は 5年、使い終わったときの見積り価値(残存価額)は 0円、毎年同じ金額ずつ減らす定額法で減価償却してきた
- 売却時点で、2年分の減価償却が終わっている
- 代金は現金で受け取った
- 売却価額は 60,000円
- 当期は 4月1日から1年間
- 売却したのは 7月1日
例題1・2と違うのは、売った時期が期首ではなく期の途中である点と、売却価額です。ただし手順に影響するのは時期のほうだけで、売却価額はステップ③に入れる金額が変わるだけです。ステップ①は同じで、貸方に備品100,000円、借方に期首の減価償却累計額40,000円を書きます。
| 借方科目 | 金額 | 貸方科目 | 金額 |
| 減価償却累計額 | 40,000 | 備品 | 100,000 |
※減価償却累計額は資産のマイナス(評価勘定)です(残高は貸方側になります)
ここからがステップ②です。4月1日から7月1日までの3か月、この備品を使っていました。その分の減価償却費を計上します。
1年分の減価償却費は20,000円でした。ただし今回、この備品を使ったのは4月1日から7月1日までの3か月だけです。そこで、1年分の20,000円のうち3か月に対応する分だけを計上します。
20,000円 × 3か月 ÷ 12か月 = 5,000円
これが月割計算です。1年分の減価償却費に、使った月数が1年に占める割合をかけて求めます。書くのは借方の減価償却費5,000円だけです。
| 借方科目 | 金額 | 貸方科目 | 金額 |
| 減価償却累計額 | 40,000 | 備品 | 100,000 |
| 減価償却費 | 5,000 |
※減価償却累計額は資産のマイナス(評価勘定)です(残高は貸方側になります)
ステップ③で、現金60,000円を借方に書きます。
| 借方科目 | 金額 | 貸方科目 | 金額 |
| 減価償却累計額 | 40,000 | 備品 | 100,000 |
| 減価償却費 | 5,000 | ||
| 現金 | 60,000 |
※減価償却累計額は資産のマイナス(評価勘定)です(残高は貸方側になります)
ステップ④です。借方は 40,000円 + 5,000円 + 60,000円 = 105,000円、貸方は 100,000円。貸方が5,000円足りないので、貸方に固定資産売却益5,000円を置きます。
| 借方科目 | 金額 | 貸方科目 | 金額 |
| 減価償却累計額 | 40,000 | 備品 | 100,000 |
| 減価償却費 | 5,000 | 固定資産売却益 | 5,000 |
| 現金 | 60,000 |
※減価償却累計額は資産のマイナス(評価勘定)です(残高は貸方側になります)
これで貸借とも105,000円になり、仕訳が完成しました。
確かめ算:売却時の帳簿価額は 100,000円 − 40,000円 − 5,000円 = 55,000円。55,000円のものを60,000円で売ったので、差額の5,000円が固定資産売却益。仕訳と一致します。

ほんとに手順が同じだ。②で減価償却費が増えただけなんだね。

そう。期首に売った例題1・2では、その②が0円だっただけなんだ。3つとも、たどった道は同じだよ。だから場面で分けて覚える必要がないんだ!
なお、売らずに持ち続けた場合、減価償却累計額は貸借対照表にどう並ぶのか。それは損益計算書・貸借対照表の作り方の記事で解説しています。
また、記帳のしかたが変わると仕訳の形も変わるという話は、商品売買にもあります。三分法と分記法の違いは三分法と分記法の記事で解説していますので、固定資産の売却と見比べてみるのもおすすめです。
まとめ:固定資産の売却は4ステップで解ける
固定資産の売却は、場面ごとに解き方を覚える論点ではありません。帳簿価額を落とし、当期分の減価償却費を計上し、代金を計上して、差額を売却損益にする——この4つを上から順にたどれば、どの出題でも同じように書けます。
- 売却損益の基準になるのは、買ったときの金額ではなく帳簿価額(取得原価 − 減価償却累計額)
- 手順は①帳簿価額を落とす→②当期分の減価償却費→③受け取った代金→④差額で売却損益の4ステップ
- 期首に売ったときは、②の金額が0円になるだけ。ステップそのものは変わらない
- 期の途中で売ったときは、②を月割で計算する
- ④は足りない側に置くだけ。損か益かを先に判断する必要はない
場面ごとの解き方を覚えるのをやめて、いつも同じ順番でたどる。それだけで、固定資産の売却は迷わずに書けるようになります。問題を解くときは、ステップ①から順に手を動かしてみてくださいね。
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