【剰余金の処分とは】剰余金の配当と利益準備金をふくしままさゆき先生の動画で学ぼう!
こんにちは。まねきねこ(@lucky_cat_037)です。
この記事では、簿記YouTube界で不動の地位を確立されているふくしままさゆき先生(@boki_law)が剰余金の配当について解説されている動画について、僕の独断と偏見で重要ポイント3選を解説していきます。
剰余金の配当と利益準備金の積み立ては、簿記三級の中でも特に何をやっているのかわかりづらい論点の一つです。最初に勘違いをしたままずっと間違えている人や、仕訳だけ暗記している人が多い論点ですが、今回の動画では簿記における意味についてしっかりと解説されているため、理解した上で問題が解けるようになります。
この記事では気になったポイントをすぐに確認できるように、重要ポイントを動画の該当箇所へのリンク付きで紹介しています。リンクをたどりながらこの記事を読むことで剰余金の配当について理解度が上がり、無料のYouTubeとこの記事だけで十分な知識を得ることができます。
簿記の勉強法について悩んでいる方は、YouTubeでの勉強を考える良い機会にもなりますよ。
勉強方法に悩んでいる方はこちらの記事をチェック!ふくしままさゆき先生のYouTubeをおすすめする理由もしっかり書いてあるよ!
この記事では、下記の動画について解説していきます。
また、本文中の【12:34】などは動画の該当箇所へのリンクとなっているので、ぜひご活用ください。
※新しいタブもしくはアプリでYouTubeが開きます。
先に結論を書いておきます!僕が考える、今回の動画の重要ポイント3選は以下のようになります。
- まねきねこが思う重要ポイント3選
- ①そもそも株主総会とは何か?を確認
→簿記の目的を再確認できる
②剰余金の配当について意味から解説
→繰越利益剰余金への理解が深まる
③利益準備金の積み立てとは何か詳しく解説
→仕訳を意味から理解することができる - 純資産の理解を深めることができる教材
- 剰余金の配当と利益準備金の積み立てを通して、純資産について理解を深めることができる!
さて、本題に入る前にここで軽く自己紹介をさせてください!
- 完全未経験から約2ヶ月の独学で簿記2級を取得
- 1級の勉強をする中で2級までの勉強がただの暗記だったと気づき、同時に簿記の楽しさに目覚める
- 簿記の勉強に悩んでいる方々の力になるために、簿記の深く楽しい理解を助けるブログ作成を目指している
- 妻と息子の3人家族
- 一緒に挑戦し続ける仲間を募集中!
詳しい自己紹介はこちらの記事をご覧ください!
株主になると配当金をもらえるよね!これも会社側では仕訳が行われているのかな?
もちろん配当金の計上や支払いで仕訳が行われているよ。とても勘違いの多い論点だから、これを機にしっかり理解しておこう!
重要ポイントを3つ解説
まず最初に、今回の動画でどのようなことを学習するかについて話があります。【0:11】
今回のテーマである剰余金の配当は純資産に関係するところでわかりにくいので、最初に概要の説明があるのはありがたいですね。
今回学習する内容は、「株主総会で繰越利益剰余金について決議された」と言われた時の処理についてです。
純資産についてはこちらの記事で紹介している動画で学習しました。その中で出てくる繰越利益剰余金は過去からの利益を累積したものでしたね。
お金自体が累積されていると勘違いされがちな繰越利益剰余金ですが、今回の動画で学ぶ内容では、繰越利益剰余金について以下のように決議された、と出てきます。
- 配当金は〇〇円とする
- 利益準備金を〇〇円積み立てる
- 残額は繰り越す
この動画では、このような文が与えられた時の処理について学習していきます。
また、本編に進む前に先生から以下のような問いかけがされます。
もちろん本編でこれから解説されていきますが、どんなものなんだろう?と先にイメージをしてみましょう。
ちなみにこの動画の内容を抑えておくことで、純資産の理解がとても深まります。仕訳自体は簡単なので、理解してないけどなんとなく解ける、という状態に陥りがちですが、それは危険です。この動画でしっかり勉強していきましょう!
①そもそも株主総会とは何か?を確認
まず最初に、株主総会とは何か?について解説されます。【2:29】
ここでは会社組織と株主総会について学習していきます。会社組織や株主総会について知らなくても簿記の問題は解けますが、理解の定着のために学んでおきましょう。
会社組織では大きく分けて以下の3つのくくりがあります。
- 役員
- 何だかよくわからないけど偉い人たち
・代表取締役社長
・取締役
・監査役
など - 管理職
- 一般的に残業代が払われなくなる人たち
・課長
・部長
など - その他の社員
- 労働組合があれば組合員
・一般社員
・係長
など
役職名と階級名があったりと会社によって様々ですが、ざっくりとこのように分けられます。
また、会社組織とは別に会計監査人という役割もあります。これは監査法人や公認会計士など、社外の監査人が担当することになります。決算の正しさを監査する役割ですね。
そしてここで学習する株主総会ですが、先ほど3つのくくりで示した会社組織の一番上に位置します。つまり役員の上であり、社長よりも上の立場の組織です。
社長よりも上の立場なの!?そんな組織があるんだね。
株主は会社の所有者なんだ。そして株主総会は株主の集まった組織だから会社組織の中で最も上の立場なんだよ。
株主総会は最高意思決定機関とも呼ばれ、最重要事項を決定する機関として機能します。ここで決議されたことには社長でも逆らう事ができません。
さて、そんな株主総会ですが何を決めるのでしょうか。動画で挙げられているのは以下の四つです。
- 決算の承認
- 役員人事
- 他社との合併の是非
- 配当金の支払い(剰余金の配当)
赤字で示しましたが、決算の承認が株主総会で行われるというのはあまり馴染みがないかもしれません。経理部を中心に作成された財務諸表は最終的には株主総会で承認されて確定するんですね。
また、同じく赤字で示した配当金の支払い(剰余金の配当)が、今回の動画で学ぶ内容になります。配当金の支払いという呼び方の方が一般的ですが、簿記会計では剰余金の配当という呼び方をするのでこちらも覚えておきましょう。
決算の承認によって年度の財務諸表を確認し、その金額から配当金の金額を決める。それが株主総会で決められることのうち簿記会計に大きく関わることになります。
ここまでで、会社組織と株主総会について学習してきました。
試験に直接は関係ないですが、一度学んでおくと簿記の目的がわかったり簿記が身近に感じられるきっかけになったりますね。
②剰余金の配当について意味から解説
ここからは剰余金の配当について解説されます。剰余金の配当とはどのような取引なのかを確認した上で、具体的な仕訳を見ていきましょう。
剰余金の配当とはどんな取引か学習
まずは剰余金の配当とはどのような取引なのかを確認していきましょう。【6:02】
会社が設立するときや増資するときに、会社は株式を発行しますね。そして投資家は、株式を買い取ることで株主という立場になります。
そんな株主ですが、金銭面でのメリットは大きく以下の二つです。
- 売却益(値上がり益)
- ・株式の価格(株価)が上がることで得られる
・キャピタルゲインとも呼ばれる - 配当金
- ・保有している株式の数に比例して受け取る事ができる
・インカムゲインとも呼ばれる
ここで学ぶ剰余金の配当は、もちろん配当金の方ですね。会社の業績が良いと配当金が支払われることになりますが、株主に配当を出すことを会社法および簿記会計では剰余金の配当と呼びます。
さてここで、剰余金の配当とは何か?を考えてみましょう。
配当ってお金をもらうことだよね?それ以外あるのかな?
株主からしたらそうだけど、「剰余金の配当」と呼ぶんだよ。ということは剰余金をもらうのかな?少し考えてみよう!
まずは株主が配当金という形で何がもらえるのかですが、株主は配当として配当金領収証をもらいます。こちらの記事で紹介している現金の動画で学びましたが、配当金領収証は通貨代用証券なのでもらった側としては現金と同じ扱いですね。
また、銀行振込する場合もあります。ということは、いずれにしても現金や預金をもらうのと同じですね。
逆に会社の立場から見ると、剰余金の配当と呼んでいるけれど会社はあくまで現金や預金から支払うことになります。つまり、「剰余金の配当=剰余金を渡す」ではないということですね。
ここまでで、以下のように感じた方はいるでしょうか?
こう感じた方は純資産についてしっかりと理解されていると思います。
先ほども挙げたこちらの記事で紹介している先生の動画で学習したように、純資産には姿形がありません。繰越利益剰余金という名前のついた現金や預金があるように勘違いしている方もいると思いますが、そんなことはないので注意しましょうね。
ここまでで剰余金の配当とは何か?について考えてみました。重要なポイントは以下になりますので復習しておきましょう。
- 株主に配当金を出すこと
- 現金や預金から支払われる
- 剰余金という名前のお金があるわけではない
剰余金の配当仕訳を確認
続いては、剰余金の配当に関する仕訳を見ていきましょう。【8:04】
株主総会にて剰余金の配当金額が確定した際に仕訳を行いますが、この仕訳は支払いの時期によって異なります。以下の二つに分けて学習していきます。
- 即日支払いの場合
- 後日支払いの場合
①即日支払いの場合
即日支払いの場合には、以下のような仕訳を行います。
※ここでは現金で支払ったとします。
借方科目 | 金額 | / | 貸方科目 | 金額 |
繰越利益剰余金 | 〇〇 | / | 現金 | 〇〇 |
ここで再度確認しますが、繰越利益剰余金は純資産の科目なので姿形がありません。その上で、剰余金の配当について会社法における意味と簿記における意味を確認してみます。
- 会社法における意味
- 剰余金を配当した。
- 簿記における意味
- 現金を支払った。その分繰越利益剰余金を減らした。
まず会社法における意味についてです。会社法というのはその名の通り会社の設立や運営などについて定められた法律ですが、そこでは剰余金の配当という言葉で書かれています。
一方簿記における意味を確認してみましょう。
繰越利益剰余金は純資産なので貸方科目ですね。そのため上記のように借方で仕訳をすると減ることになります。一方貸方は資産科目である現金の減少でした。
つまり剰余金の配当仕訳は、「現金の支払いに伴い繰越利益剰余金を減らす」となり、簿記における意味はただそれだけなんですね。配当という言葉すら出てきません。
純資産が貸方科目だということについて疑問がある方はこちらの記事をご確認ください。簿記の超重要基礎である五要素についてわかりやすく解説した、おすすめの入門記事です。
何度も繰り返し書きますが、純資産である繰越利益剰余金には姿形がありません。剰余金という名前のついたお金があるわけではないので注意しましょう。ここが非常に重要なポイントです。
②後日支払いの場合
続いては後日支払いの場合についてです。
株主総会によって配当の金額が決議されますが、その日のうちにすぐに支払いが行われるとは限りません。むしろ、後日に支払われることの方が多いでしょうか。
そのような場合の仕訳は以下になります。
借方科目 | 金額 | / | 貸方科目 | 金額 |
繰越利益剰余金 | 〇〇 | / | 未払配当金 | 〇〇 |
即日支払いの場合と同様に、この仕訳についても会社法における意味と簿記における意味を確認してみましょう。
- 会社法における意味
- 剰余金を配当した(支払いは後日)。
- 簿記における意味
- 未払いの配当金を計上した。その分繰越利益剰余金を減らした。
即日支払いの場合とあまり意味に変化はありませんね。現金の減少だったところが未払いの配当金を計上に変わっただけです。
簿記における意味についてですが、先に即日支払いの場合について学んでいたので、理解しやすいのではないでしょうか。最初から後日支払いの仕訳を学ぶと、繰越利益剰余金という名前のお金から配当を出すようなイメージを持ってしまいがちです。
再度繰り返しますが、あくまで繰越利益剰余金は減らすだけで、剰余金の配当と言っても剰余金という名前のついたお金は存在しません。
僕が勉強したテキストには「剰余金という財源から配当をする」と書いてあって、繰越利益剰余金は別で分けてあるかのようなイメージを持った覚えがあるよ。
先生の動画で勉強すれば繰越利益剰余金や純資産について、勘違いすることなく理解していけるね!
さて、株主総会での決議によって未払配当金を計上しましたが、後日実際の支払いが行われた時にももちろん仕訳が必要です。現金の支払いに伴い、未払配当金を取り崩すことになります。
借方科目 | 金額 | / | 貸方科目 | 金額 |
未払配当金 | 〇〇 | / | 現金 | 〇〇 |
ちなみに未払配当金は将来の支払い義務を示しているので負債科目です。支払いに伴って借方で仕訳を行い減少させ、取り崩されました。
続いて、配当金を受け取る側の所得税や住民税についても考慮してみましょう。配当金にかかる税金は20%ですが、支払いを行う側が預かり金として源泉控除します。
具体的な仕訳を見てみましょう。配当金が100円とした場合、源泉控除される税金は20円となります。この場合、配当金を当座預金から支払ったとすると以下の仕訳を行います。
借方科目 | 金額 | / | 貸方科目 | 金額 |
未払配当金 | 100 | / | 当座預金 | 80 |
/ | 預り金 | 20 |
未払配当金を100円取り崩し、80円を当座預金から支払うと同時に20円は同じく負債科目である預かり金に振り替えます。預かり金は後日税務署に納める義務を表しているので、負債科目ですね。
さらに後日税務署へ税金を納める際には以下の仕訳を行います。
借方科目 | 金額 | / | 貸方科目 | 金額 |
預り金 | 20 | / | 当座預金 | 20 |
預かっていた税金も納めることで、当座預金から合計100円が抜けるため、結果としては会社には影響がありませんね。
ここまでで、剰余金の配当に関する仕訳について確認してきました。ポイントは以下になりますので、一度復習しておきましょう。
- 即日支払いを先に考えると理解しやすい
- 現金の支払いか未払配当金の計上をする
- 同時に繰越利益剰余金を減らす
- 繰越利益剰余金という名前のお金があるわけではない
③利益準備金の積み立てとは何か詳しく解説
さて続いては、利益準備金の積み立てについてです。この動画の冒頭で、「利益準備金の積み立てとは何でしょうか?」と先生に聞かれていましたね。剰余金の配当と同じく、使われる言葉や科目名だけからは理解が難しいので、意味をしっかりと確認しましょう!
仕訳の形と意味を確認
それでは仕訳の形と意味を確認していきます。【10:50】
利益準備金の積み立てに関する仕訳は以下のようになります。
借方科目 | 金額 | / | 貸方科目 | 金額 |
繰越利益剰余金 | 〇〇 | / | 利益準備金 | 〇〇 |
ここでポイントとなるのは、各科目の五要素です。先ほども出てきた繰越利益剰余金は純資産でしたね。一方の利益準備金も、実は純資産なんです。
また、純資産の科目には姿形がありませんでした。姿形のない純資産同士の仕訳となります。つまり、もはや名前を変えただけと言えます。この仕訳は簿記的にはあまり意味がないんですね。
会社法としては積み立てると呼びますが、実際に現金や預金を積み立てるわけではありません。そのためお金は全く動かないんですね。
利益準備金という名称や積み立てるという言い方から、お金をとっておくという処理だと思いがちです。しかし実際には純資産の名前を変えるだけです。現金や預金は全く動かないということを忘れないようにしておきましょう。
なお、利益準備金の積み立ては、基本的には配当金の1/10の金額を振り替えると決められています。ここについても簿記的な意味は正直なところ特にありません。会社法の取り決めに従い名前を変えるだけですね。
ここまでで、利益準備金の積み立てについて学習しました。剰余金の配当と同じく、姿形のない純資産についての仕訳のため勘違いしがちです。以下のポイントに気をつけましょう。
- 繰越利益剰余金を減らして利益準備金を計上する
- 姿形のない純資産同士の振り替えを行う仕訳
- 名前を変えただけで、現金や預金が動くわけではない
また、剰余金の配当と利益準備金の積み立ての仕訳では、どちらも繰越利益剰余金が借方になります。そのため仕訳をする際はまとめてしまい、貸方の配当金と利益準備金の合計額を借方の繰越利益剰余金とします。
合計額が借方に書かれることで繰越利益剰余金というお金が使われたようなイメージを持ちやすくなります。繰り返しますが姿形はないので注意しましょうね。
(補足)経理の一巡について
最後には経理の一巡について補足情報が入ります。【15:24】
一つの会計期間が終わる時期を期末と呼ばれますが、日本では主に3月が期末となることが多いですね。そんな期末を過ぎた4月からが経理部は繁忙期となります。ざっと以下のようなイベントが発生するためですね。
- 期末決算
- 株主総会で決算の承認
- 確定申告&納税
- 剰余金の配当
これらを4月や5月の月次決算と同時期に行うことになります。また、落ち着いた頃には中間納付が待っていますね。
このように、経理は季節ごとの忙しさにかなり波があります。
経理の忙しさは試験には関係がないように思えますが、実は仕訳が期末日付で行われるか翌期に行われるかなど、関係がある部分もあります。
また、実際に簿記を使っている経理部の仕事を少しでも知ることは簿記の勉強においてモチベーションに繋がることもあるので、あくまで補足情報ですが知っておくと良いでしょう。
先生の動画はこういう補足情報で息抜きになったり、簿記に興味が湧いたりするのが魅力の一つだね!
まとめ 〜純資産に関わる仕訳の基礎を学べる教材〜
さてこの記事では、ふくしままさゆき先生(@boki_law)の簿記三級動画13(剰余金の配当)について書かせていただきました。今回の動画における、僕が思う重要ポイント3選は以下になります。
- まねきねこが思う重要ポイント3選
- ①そもそも株主総会とは何か?を確認
→簿記の目的を再確認できる
②剰余金の配当について意味から解説
→繰越利益剰余金への理解が深まる
③利益準備金の積み立てとは何か詳しく解説
→仕訳を意味から理解することができる - 純資産の理解を深めることができる教材
- 剰余金の配当と利益準備金の積み立てを通して、純資産について理解を深めることができる!
僕自身は市販のテキストを使った独学で簿記2級まで勉強しましたが、先生の動画で勉強していたらもっと楽しくもっと早く簿記が勉強できていたと確信できます。
剰余金の配当と利益準備金の積み立てを通して、純資産について理解を深めることのできる動画でしたね。
この記事が少しでもあなたの簿記の深く楽しい理解を助けるきっかけになることができたら嬉しいです。
これからも意味や本質に重点を置いた記事をお届けしていきますのでよろしくお願いします!
ではまた!
この記事で紹介した関連記事はこちら↓