割戻しとは?【簿記初心者向け】仕訳をわかりやすく解説
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こんにちは。まねきねこです。
簿記3級の勉強をしていると、「割戻し(わりもどし)」という言葉が出てきます。値引きと何が違うのか、仕訳はどう書くのか、迷ってしまいますよね。
この記事では、割戻しの意味から仕訳の書き方まで、「なぜそうなるのか」を大切にわかりやすく解説します。

割戻しって値引きと同じじゃないの?なんで名前が違うんだろう…

似てるようで全然違うんだよ!「なぜそうなるのか」を理解すると、仕訳もスラスラ書けるようになるよ
この記事を読むと、以下の3つがわかります。
- 割戻しとは何か、日常の言葉でわかる
- 値引きとの決定的な違い
- 仕入割戻・売上割戻の仕訳の書き方
割戻しとは何か
割戻し(わりもどし)とは、たくさん買ってくれたお客さんへの「まとめ買い特典」のことです。
一定の数量や金額を超えて購入してくれた相手に対して、売り手が代金の一部を返すことを割戻しといいます。英語では「リベート(rebate)」とも呼ばれます。
日常生活でイメージしよう
スーパーのポイントカードをイメージしてください。
「1万円お買い上げごとに500円分のポイントを還元します」
これがまさに割戻しの考え方です。たくさん買ってくれたことへのお礼として、後から一部を戻すわけです。ビジネスの場面でも同じです。
「今月100万円以上仕入れてくれたら、5万円キャッシュバックします」
このように、購入量や購入金額に応じて後から値引く仕組みが割戻しです。

値引きとの違い
「割戻しも値引きも、代金が安くなるんでしょ?」と思いますよね。たしかに結果は似ています。でも、理由がまったく違います。
| 割戻し | 値引き | |
|---|---|---|
| 理由 | たくさん買ったことへのお礼 | 商品に傷や不良があったから |
| タイミング | 一定量・金額に達した後 | 商品の問題が判明したとき |
| 判断基準 | 数量・金額 | 品質・状態 |
| イメージ | まとめ買い特典 | クレーム対応の値下げ |


なるほど!割戻しはお礼で、値引きはお詫びってことか!

その通り!この違いを押さえると仕訳も自然と書けるようになるよ
割引(わりびき)との違い
割戻しと混同しやすいものに「割引(わりびき)」があります。
割引とは、代金を早く支払ってもらったことへのお礼として、代金を減額することです。「早払い割引」のイメージです。
「今月末までに一括でお支払いいただけるなら、5,000円引きにします」
割戻し・値引き・割引の三者を整理すると次のようになります。
| 割戻し | 値引き | 割引 | |
|---|---|---|---|
| 理由 | たくさん買ったことへのお礼 | 商品に傷や不良があったから | 早く代金を支払ってもらったお礼 |
| 基準 | 数量・金額 | 品質・状態 | 支払いのタイミング |
| イメージ | まとめ買い特典 | クレーム対応の値下げ | 早払い割引 |

割引は「支払いが早い」ことへのご褒美なんだね!割戻しとは全然違う!
割戻しの仕訳(仕入割戻・売上割戻)
割戻しは、仕入れた側と売った側で処理の名前が変わります。
- 仕入割戻(しいれわりもどし)
- 仕入れた側(買い手)がもらう割戻し。仕入の金額を減らす処理をする。
- 売上割戻(うりあげわりもどし)
- 売った側(売り手)が支払う割戻し。売上の金額を減らす処理をする。
仕入割戻の仕訳
【例】先月、A社から商品を100,000円分仕入れた。今月、まとめ買いに対する割戻しとして5,000円が買掛金から差し引かれた。
| 借方(かりかた) | 貸方(かしかた) |
|---|---|
| 買掛金 5,000円 | 仕入 5,000円 |

割戻しをもらうということは、仕入れた代金の一部が戻ってくるということです。
つまり「仕入れたことにした金額が実際より多すぎた」ので、仕入の金額を減らします。同時に、支払う予定だった買掛金(かいかけきん=仕入れ代金の未払い残高)も減ります。
なお、割戻しを買掛金の相殺ではなく現金で受け取る場合は、仕訳が次のように変わります。
| 借方(かりかた) | 貸方(かしかた) |
|---|---|
| 現金 5,000円 | 仕入 5,000円 |
【応用例題】先月、A社から商品を200,000円分仕入れた。今月、まとめ買いに対する割戻しとして8,000円が現金で支払われた。
| 借方(かりかた) | 貸方(かしかた) |
|---|---|
| 現金 8,000円 | 仕入 8,000円 |
売上割戻の仕訳
【例】先月、B社に商品を100,000円分売った。今月、まとめ買いに対する割戻しとして5,000円を売掛金から差し引いた。
| 借方(かりかた) | 貸方(かしかた) |
|---|---|
| 売上 5,000円 | 売掛金 5,000円 |

割戻しを支払うということは、売った代金の一部を返すということです。
つまり「売上として計上した金額が実際より多すぎた」ので、売上の金額を減らします。同時に、受け取る予定だった売掛金(うりかけきん=売上代金の未収残高)も減ります。
なお、割戻しを売掛金から差し引くのではなく現金で支払う場合は、仕訳が次のように変わります。
| 借方(かりかた) | 貸方(かしかた) |
|---|---|
| 売上 5,000円 | 現金 5,000円 |
【応用例題】先月、B社に商品を300,000円分売った。今月、まとめ買いに対する割戻しとして15,000円を現金で支払った。
| 借方(かりかた) | 貸方(かしかた) |
|---|---|
| 売上 15,000円 | 現金 15,000円 |
仕訳の対比まとめ
| 借方 | 貸方 | |
|---|---|---|
| 仕入割戻(買い手側) | 買掛金 | 仕入 |
| 売上割戻(売り手側) | 売上 | 売掛金 |

仕入割戻は仕入を減らす、売上割戻は売上を減らす……これで覚えられそう!
まとめ 〜理由を押さえて仕訳をスラスラ書こう〜
- 割戻しとは、まとめ買いへのお礼として代金の一部を戻すこと(数量・金額が基準)
- 値引きとの違いは「理由」。割戻しはお礼、値引きは品質問題への対応
- 仕訳は「仕入または売上を減らす」処理。仕入割戻は仕入を減らし、売上割戻は売上を減らす
割戻しは名前こそ難しそうに見えますが、「まとめ買い特典」とイメージすると覚えやすくなります。仕訳も「もらったら仕入を減らす、払ったら売上を減らす」とセットで覚えてみてください。
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