【簿記はなぜ難しい?】〜簿記がややこしい理由を解説~【ゴーイングコンサーンとは】
こんにちは。まねきねこ(@lucky_cat_037)です。
- 簿記の勉強を始めたばかりの方
- 資格は持っているけど、いまいち理解した気がしていない方
「簿記ってややこしい」そう感じていませんか?「このように処理してください」とテキストに言われるまま、納得感なく勉強が進みがちですよね。
でももしあなたが、
そう感じているとしたら、あなたは簿記を深く楽しく理解するチャンスを手にしています!なぜなら、ただテキストに書いてあることを暗記するのではなく、「なぜ?」を繰り返すことで簿記の理解は深くなっていくからです。
ということでこの記事では、「なぜ?」が気になり始めたそんなあなたの力となるべくそもそもなぜ簿記がややこしいのか、その理由を解説していきます!
楽しく簿記を勉強するためには、暗記で乗り切ることなく本質を理解しましょう!資格取得だけでなく、取得した後に活きる知識を手に入れることができますよ!
※先に結論を書いておきます。簿記がなぜややこしいのか、以下のように考えてください。
さて、本題に入る前にここで軽く自己紹介をさせてください!
- 完全未経験から約2ヶ月の独学で簿記2級を取得
- 1級の勉強をする中で2級までの勉強がただの暗記だったと気づき、同時に簿記の楽しさに目覚める
- 簿記の勉強に悩んでいる方々の力になるために、簿記の深く楽しい理解を助けるブログ作成を目指している
- 妻と息子の3人家族
- 一緒に挑戦し続ける仲間を募集中!
詳しい自己紹介はこちらの記事をご覧ください!
簿記ってややこしいけど、なんでなんだろう?せっかく勉強するなら知りたいな!
確かにややこしいくてとっつきにくい印象かもしれないね。
だけど、むしろ簿記のおかげでややこしいことを簡潔に示せているんだ!すごい技術なんだよ!
活動の続く期間に注目 〜2つに分けて考える〜
まず最初に、企業の活動に限らず活動が続く期間というものについて考えてみます。と言っても簡単で、大きく以下の2つに分けて考えるだけです。
- 永久に続く活動か
- 期間限定の活動か
また後ほど書きますが、企業の活動は永久に続くという前提のもと成り立っています。
それに対して例えば学園祭の焼きそば屋は期間限定の活動ですね。また、企業の活動の中でも期間限定の個別プロジェクトなどは永久に続く活動ではありません。
さらっと書きましたが実はこの考え方はとても重要で、活動が期間限定の場合は簿記の処理は不要となってしまいます。そこでここからは、活動が永久に続くのか期間限定なのかでどのような違いがあるのか確認していきましょう。
活動が期間限定であれば簿記の処理は不要
まずは活動が期間限定であった場合に何が起こるのか、具体例を挙げて見ていきましょう。先ほども書いたように期間限定の活動の場合は簿記の処理は不要となりますが、どういうことでしょうか。
期間限定の活動の具体例 ~学園祭の焼きそば屋~
みなさんが学園祭で焼きそば屋をやることになったとします。お金の計算も全て皆さん自身でやることになりました。すると、資金の調達や道具・具材の準備、焼きそばの販売など様々なことでお金が動きますね。
具体的には以下のようなお金に絡む取引が発生します。
- みんなからお金を集める
- 道具を買ってそろえる
- 焼きそばの具材を仕入れる
- 作った焼きそばを売る
- 手伝ってくれた人達へのお礼の品を買う
これらのような取引が想定されますね。ちなみに、それぞれの取引によって簿記の5要素(資産、費用など)がどのように動くかはイメージできるでしょうか?
簿記の5要素について確認したい方はこちらの記事をご覧ください。会社の取引を3種類に分け、それぞれの取引で簿記の5要素がどのように動くかを簡単に解説しています!
さて、いろいろとお金が絡む取引が発生した学園祭の焼きそば屋でしたが、無事に最終日の営業を終了することができました!この時、皆さんはこう思うはずです!
そうです、いくら儲かったのか知りたいですよね。みんなの楽しい思い出がもちろん最重要ですが、最終的にどれだけ儲かったのか営業成績を確認したいですよね!
そんな時、あなたならどうしますか?少し考えてみてください。
どうでしょうか?最後に全部現金を確認して、いくら残っているかで判断しませんか?(そして、みんなで打ち上げして全部使い切るわけです。)
期間限定の学園祭の焼きそば屋にとって、途中経過はそこまで重要ではありません。どんな取引があろうと、どれだけお金が動こうと、最後に現金を確認するだけでOK!
※ちなみに、借りたお金がある場合は返したうえで現金を確認しましょうね。
同じように、例えば会社で期間限定のプロジェクトを立ち上げたとしましょう。そのプロジェクトが例えば3年で完全に終了するとするならば、そのプロジェクトの成績は最後に現金を数えて、いくら儲けたかだけを確認すればOKです!
※お金の面だけの成績の話をしています。
- 活動が永久に続く前提でなければ簿記の処理は不要
- 最後に現金を確認するだけで、その活動の成績を確認することができる!
永久に続く前提の場合は簿記の処理が必要
続いて、永久に続く前提の場合を見ていきましょう!最初に書きましたが、企業の会計を考える上で非常に重要なことが二点あります。
- 企業は永久に続く前提のもと成り立っている
※このことをゴーイングコンサーンという - 企業は決められた会計期間で外部に成績を報告する必要がある
簿記の処理がなぜややこしいのかを確認するうえで、この二点は欠かせないので簡単に説明していきますね。
企業は永久に続く前提のもと成り立っている(ゴーイングコンサーン)
まずは、企業は永久に続く前提のもと成り立っている、についてです。
通常、企業はいつ終わるか分かりません。これは言ってしまえば当たり前です。何年後かに会社を終わらせようと思って経営している経営者はほとんどいないはずです。(会社の売却は違う話になります。)
なので、企業は永久に続く前提のもと成り立っています。この前提のことを、ゴーイングコンサーンと言います。(学園祭の焼きそば屋はいつ終わるか決まっていましたね。)
企業は決められた会計期間で外部に成績を報告する必要がある
続いて、企業は決められた会計期間で外部に成績を報告する必要がある、についてです。
基本的に、企業は外部に成績を報告する必要があります。
- 出資してくれた株主
- お金を貸してくれた債権者
- 税金を納める先
- 従業員
多くの関係者(一般的に利害関係者と呼びます)に決められたルールで成績を報告する必要がありますよね?これは別に上場している株式会社に限ったことではありません。例えば企業でなく個人事業主でも、お金を借りますし税金も納めるので、外部に成績を報告する必要があります。
となると、いつ報告するかの期間も決められているわけです。「気が向いた時に報告してくれればいいよ~」なんて言ってくれる株主はいませんよね?通常1年や四半期(3ヶ月)ですが、決められた期間で成績を報告する必要があります。
さあ、重要な二点を確認してきました!
ここからは、これらを踏まえるとどのようなことが起きるのか見ていきましょう!
企業は人為的に期間を区切って報告する必要がある
ここまで見てきた二点から考えると、企業は人為的に期間を区切ってその期間の成績を報告することになります。なぜなら永久に続けるつもりなのに決まった期間で報告する必要があるからです。具体的には以下の二つに代表される財務諸表を作成するわけですね。
- 損益計算書(P/L)
- 一定期間の経営成績(儲けや損失)を記載する
- 貸借対照表(B/S)
- ある時点での財務状況(資産や負債など)を記載する
そうすると、色々と困ったことが起きるわけです。
具体的には、
- 1年分の保険料を支払ったら半年分は来期の分だったんだけど当期の費用はどうなる?
- 5年くらい使う機械を買ったけどこれって全額当期の費用にしていいの?
- 仕入れた商品のうちいくつか在庫になったんだけど当期の損益にはいくら影響するのかな?
これらの困ったことに対して一定のルールのもとで調整を行い、人為的に期間を区切って正しく経営状態を報告するために出てくる技術が、、、?
そうです、簿記なんです!簿記があるから正しく経営状態を報告することができるのです。簿記がややこしいのではなく、ややこしい計算をするための素晴らしい技術が簿記なのです(笑)確かにぱっと見はややこしいですが、中身をしっかり理解するとものすごくきれいな素晴らしい技術ですよ!
ちなみに上の例は全て他の記事で解説していますので、良ければ見てみてくださいね!
結論:簿記は素晴らしい技術!
さて、今回はなぜ簿記はややこしいのかについて書かせていただきました。結論としては、簿記がややこしいのではなく、ややこしい計算をするための素晴らしい技術が簿記だということでしたね(笑)
具体的な処理などは記事内で挙げた関連記事をご覧ください。気になったものから見ていくだけで簿記について詳しくなれますよ!
ただテキストに書いてあることを暗記して試験に受かるだけでは簿記の真の素晴らしさは味わえません。この記事が少しでもあなたの簿記の深く楽しい理解を助けることができていたら嬉しいです。
これからも自分の言葉でかみ砕いて簡単に、でも意味や本質に重点を置いてお届けしていきますのでよろしくお願いします!
ではまた!
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