まねきねこ
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簿記ブロガー
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簿記をつまらないと感じている人に、簿記の楽しさを知り楽しく学んでほしい。ブログを通じて簿記の深く楽しい理解を助けることを目指している。

完全未経験から2ヶ月の独学で簿記2級を取得。

大学1年生から大学院2年生までの6年間に、小学4年生から高校2年生まで約30人ほどの生徒に対して国語、算数、数学、英語、理科を指導した実績あり。

理解を深める

【簿記の5要素】資産と費用、負債と純資産と収益が似ている!?

簿記の五要素アイキャッチ
まねきねこ
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こんにちは。まねきねこ(@lucky_cat_037)です。

簿記や会計の世界には以下の5つの要素があります。

  • 費用
  • 資産
  • 収益
  • 負債
  • 純資産

簿記の勉強をしていたり、興味を持ってこれから始めようとしていたりして、これらをご存じの方も多いと思います。ですが、これら5要素がそれぞれどのようなものか深く理解できているでしょうか?

負債と費用は嫌なものだよね、資産とか純資産や収益は嬉しいものでしょ?」
「そういえば、この科目は5要素のどれ?っていきなり聞かれると分からなかったりする」

このような状態は非常に危険です。特に注意したいのは、「嫌なものと嬉しいもの」という区別をすること。これは簿記の世界では大きな間違いです。

そこでこの記事では、 完全未経験から約2ヶ月の独学で簿記2級に合格した筆者が「簿記初心者でも分かりやすく」簿記の5要素の違いについて解説します!

また、簿記の5要素を深く理解するうえで欠かせない、前提となる2つの基礎知識についても丁寧に解説をします。

簿記の5要素は暗記で乗り切るようなところではありません。なぜならここは簿記の根幹にかかわる超重要なところだからです。

  • 簿記の5要素は根幹にかかわる重要なところ
  • 各科目が5要素のどれになるかは暗記するようなものではない

この記事を読めば、以下のような質問に答えられるようになります。それによって、それぞれの科目が5要素のどれなのかを暗記ではなく自分で考えて答えられるようになっていきます。

資産と費用について
  • 資産と費用が似ているということを理解していますか?
  • 資産と費用の違いは何ですか?
  • 資産が嬉しいもので費用が嫌なものと勘違いしていませんか?
負債と収益と純資産について
  • 負債と収益と純資産が似ているということを理解していますか?
  • 負債と収益と純資産の違いは何ですか?
  • 負債が嫌なもので収益と純資産が嬉しいものと勘違いしていませんか?

※上の質問への回答となる結論を先に書いておきます。簿記の5要素については以下のことを理解しましょう。

資産と費用は似ている
○どちらもお金がどういう状態にあるのか、何に変化したのかを表している
○どちらも使ったお金以上のリターンを期待してお金を使っている
○どちらも借方科目
●違いは会計期間を超えて効果が続くかどうか
負債と収益と純資産は似ている
○どれもお金が増えた原因と性質を表している
○どれも貸方科目
●お金が増えた原因と性質の違いがそのまま要素の違いになる
●返済義務の有無や経営への影響力などの大きな違いもある

さて、本題に入る前にここで軽く自己紹介をさせてください!

まねきねこってどんな人?
  • 完全未経験から約2ヶ月の独学で簿記2級を取得
  • 1級の勉強をする中で2級までの勉強がただの暗記だったと気づき、同時に簿記の楽しさに目覚める
  • 簿記の勉強に悩んでいる方々の力になるために、簿記の深く楽しい理解を助けるブログ作成を目指している
  • 妻と息子の3人家族
  • 一緒に挑戦し続ける仲間を募集中!

詳しい自己紹介はこちらの記事をご覧ください!

弟子ねこ
弟子ねこ

5要素の違いってざっくりとしか考えてこなかったな。
それぞれの科目が5要素のどれかも暗記してたけど、しっかり理解したい!

まねきねこ
まねきねこ

テキストも軽く触れるだけだからね。
でもここはすごく重要だよ。似ているところと違いをしっかり理解しておこう!
理解すると暗記しなくても腹落ちするようになるよ!

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【前提知識】簿記の5要素の前に知っておきたい2つの基礎知識

5要素の説明に入る前に、事前に知っておく必要のある2つの基礎知識から説明をします。

  • 【会計の基礎】会社の活動(取引)は3つに分かれる
  • 【複式簿記の基礎】取引を2つの側面から見ることが(複式)簿記の特徴

この2つについて知っているかどうかが5要素の理解度に直結します。基礎を固めてじっくりと理解していきましょう。

【会計の基礎】会社の活動(取引)は3つに分かれる

まず1つ目は、会社の活動(取引)とはどんなものなのか、ということです。会社は色々な活動をしていますよね。お金を借りたり、商品を仕入れたり、仕入れた商品を販売したり、、、その他もお金が絡む活動(取引)が数え切れないほど存在します。

そんな会社の取引は実は3つに分けられます。まずはざっくり会社の取引を以下の3つに分けてしまいます。

  • 調達取引
  • 投資取引
  • 回収取引

ここからはそれぞれの取引がどのようなものかを順番に説明していきます。

調達取引

調達取引とは、お金を株主や銀行から調達する取引です。会社の活動は、何はともあれお金を調達することから始まります。

最初は資金調達から、ということで調達取引は会社の活動サイクルにおいて1つ目のステップになります。

投資取引

投資取引は、商品や設備を買ったり、従業員に給料を払ったりして事業のために投資し、価値やサービスを生み出す取引です。

調達したお金を使って活動する、ということで投資取引は会社の活動サイクルにおいて2つ目のステップになります。

回収取引

回収取引は、生み出した価値やサービスの販売などにより投資の効果が生まれ、お金が増える取引です。

投資したお金を回収する、ということで回収取引は会社の活動サイクルにおいて3つ目、最後のステップになります。

ここまでで会社の活動(取引)を3つに分けて解説しましたが、理解できたでしょうか?先ほども書きましたが、ここを理解できているかどうかは5要素の理解度に直結するので超重要です!

調達取引
お金を株主や銀行から調達する取引
投資取引
商品や設備を買ったり、従業員に給料を払ったりして事業のために投資し、価値やサービスを生み出す取引
回収取引
生み出した価値やサービスの販売などにより投資の効果が生まれ、お金が増える取引
3つの取引を理解することは超重要
簿記の5要素の理解に直結する

各取引について確認できました。それではもう1つの基礎知識の解説に進みます。

【複式簿記の基礎】取引を2つの側面から考える

次に2つ目の基礎知識として、それぞれの取引を2つの側面から考える、ということについてです。ここが簿記の面白いところです。

皆さんが「簿記」と呼んでいるもの、それは多くの場合「複式簿記」のことを言っています。 「複式簿記」 の「複式」とは、読んで字のごとく複数ということなのですが、それは各取引を2つの側面から考えよう、という意味なのです。

簿記をすでに学んでいる方はご存じと思いますが、具体的には簿記には借方と貸方があり、それぞれ別の勘定科目を使って取引を表現します。

そして、そのように表現する方法(表現されたもの)を仕訳と呼びます。

ちなみに借方と貸方という名称に意味はありません。左が借方、右が貸方ということだけ覚えておいていただければ問題ありません。有名な覚え方もあるのでここで覚えてしまいましょう。

  • 借方(かりかた):「り」が左に伸びるので左側
  • 貸方(かしかた):「し」が右に伸びるので右側

え?こんな覚え方でいいの?と思うかもしれませんが、これで大丈夫です!

さあ、軽くまとめます。ここで重要なのは下記の3つです。

  • 「簿記」とは「複式簿記」のことをいう
  • 2つの側面から見て、借方と貸方で別の勘定科目を使って各取引を表現する
  • 借方は左側、貸方は右側と意味する

※何にいくら使っただけを記入する家計簿のようなものは単式簿記といいます

それでは続いて、会社の取引を2つの側面から見るとどうなるかを確認していきます。

会社の取引は以下の3つに分けられるんでしたね。

調達取引
お金を株主や銀行から調達する取引
投資取引
商品や設備を買ったり、従業員に給料を払ったりして事業のために投資し、価値やサービスを生み出す取引
回収取引
生み出した価値やサービスの販売などにより投資の効果が生まれ、お金が増える取引

調達取引の2つの側面

まずは、調達取引の2つの側面です。例を2つ挙げて説明します。

●調達取引その1:株主からお金を調達する取引

まずは株主からお金を調達する取引について考えてみましょう。株主からお金を調達すると、当たり前ですがお金が増えますよね。これが1つの側面です。

そして、会社は株主のものなので株主から調達したお金は会社のものです。
現金で返す義務はないけれど経営に口を出せれるという性質を持ちます。これがもう1つの側面です。

●調達取引その2:銀行からお金を調達する取引

続いて銀行からお金を調達する取引について考えてみましょう。銀行からお金を調達すると、先ほどと同じでお金が増えますね。これが1つの側面になります。

そして、銀行から借りているだけなのでそのお金は銀行のものです。
いつか現金で返す義務があるし利息を払う義務もあるという性質を持ちます。これがもう1つの側面です。

例を2つ挙げました。調達取引の2つの側面をまとめるとこうなります。

  1. お金が増える
  2. そのお金はどこから調達して、どのような性質のものなのか

投資取引の2つの側面

続いて、投資取引の2つの側面です。こちらも例を2つ挙げて説明していきます。

●投資取引その1:設備を購入する取引

まずは機械などの設備を購入する取引について考えてみましょう。設備を購入すると、基本的にはお金が減りますよね。もしくは後から払う義務(債務)を負ったりします。これが1つの側面です。

そして、払ったお金は設備に変わり、その設備を使って価値(製品やサービス)が生み出されます。これがもう1つの側面です。

●投資取引その2:従業員に給料を払う取引

次に従業員に給料を払う取引について考えてみます。従業員に給料を払うと、先ほどと同じでお金が減りますね。分かりづらいかもしれませんが、後から払う義務(債務)を負う場合もあります。これが1つの側面です。

そして、払ったお金は給料に変わり、従業員が価値(製品やサービス)を生み出します。これがもう1つの側面です。

例を2つ挙げました。投資取引の2つの側面をまとめるとこうなります。

  1. お金が減る
  2. そのお金が何に変化したのか

回収取引の2つの側面

最後に、回収取引の2つの側面を見ていきましょう。こちらも例を2つ挙げて説明しますね。

●回収取引その1:商品を販売する取引

まずは商品を販売する取引を考えてみます。商品を販売すると、当たり前ですがお金が増えますよね。もしくは後からお金をもらえる権利(債権)を手に入れます。これが1つの側面です。

そして、増えたお金は商品の販売という取引が原因で増えています。これがもう1つの側面です。

●回収取引その2:貸付金に対する利息を受け取る取引

続いて貸付金に対する利息を受け取る取引を考えてみましょう。他社にお金を貸していて、利息を受け取ったとしたら、先ほどと同じでお金が増えます。分かりづらいかもしれませんが、後からお金をもらえる権利(債権)を手に入れる場合もありますね。これが1つの側面です。

そして、増えたお金は他社への貸付金に対する利息を受け取るという取引が原因で増えています。これがもう1つの側面ですね。

例を2つ挙げました。回収取引の2つの側面をまとめるとこうなります。

  1. お金が増える
  2. そのお金はどんな原因で(会社のどんな取引によって)増えたのか

ここまでで、各取引には2つの側面があるということが分かりましたね。

復習になりますが、皆さんが「簿記」と呼んでいるもの、それは多くの場合「複式簿記」のことを言っていて、 「複式簿記」 の「複式」とは各取引を2つの側面から考えよう、という意味です。

ここまで見てきた各取引の2つの側面について、借方と貸方に分けて別の勘定科目を使ってそれぞれの取引を表現しよう、という技術が「複式簿記」です。

  • 借方(かりかた):「り」が左に伸びるので左側
  • 貸方(かしかた):「し」が右に伸びるので右側

また、複式簿記での表現方法(表現されたもの)を仕訳と呼びます。

せっかくなので複式簿記での仕訳の例を挙げてみましょう。調達、投資、回収取引から一つずつ確認してみます。

  1. 調達取引:株主から1,000,000円現金を調達する
  2. 投資取引:従業員に当座預金から200,000円給料を払う
  3. 回収取引:商品を30,000円で掛販売する

このような取引について表現する時、仕訳は以下のようになります。

①or②or③借方科目金額/貸方科目金額
①(調達)現金1,000,000/資本金1,000,000
②(投資)給料200,000/当座預金200,000
③(回収)売掛金30,000/売上300,000
※各科目を 費用 資産 収益 負債 純資産 で表しています

ここで、これらの仕訳によって表される各取引の2つの側面について確認してみましょう!

  1. 調達取引:現金が増えるという側面と、その現金は株主から調達した資金だという側面
  2. 投資取引:当座預金が減るという側面と、その当座預金が給料に変わったという側面
  3. 回収取引:売掛金が増えるという側面と、その売掛金が売り上げによって増加したという側面

さあ、ここまでで会社の取引は3つに分かれるということと、各取引は2つの側面から見るということについて学んできました。ここまでこれば簿記の5要素について理解する土台はできています。

長くなってしまいましたが、いよいよ簿記の5要素について見ていきましょう。

弟子ねこ
弟子ねこ

会社の取引や簿記についてよく分かったよ!
興味も湧いてきたから、5要素のことも早く知りたい!

まねきねこ
まねきねこ

それはいいことだね。
じゃあいよいよ簿記の5要素の説明をしていくよ!

【簿記の5要素】資産と費用、純資産と負債と収益が似ている!?

さて、長くなってしまいましたが、ここまで読んでくださったあなたは簿記の5要素について理解する土台ができています。

それでは本題に入りましょう。資産と費用、純資産と負債と収益が似ているとはどういうことなのでしょうか。

まずは資産と費用から見ていきますね。

資産と費用について

まず、資産と費用についてです。これらについて、どのようなイメージを持っているでしょうか?

「資産はなんとなく嬉しいものっぽいよね
「費用はお金が出て行っちゃうイメージだから嫌なものだと思うよ!


こんなイメージを持っていませんか?ですがこの2つ、実は両方とも上で挙げた投資取引の1つの側面なんです。投資取引は以下のような2つの側面を持っていました。

  1. お金が減る
  2. そのお金が何に変化したのか

設備(資産)になるにせよ、給料(費用)になるにせよ、どちらもお金がどういう状態にあるのか、何に変化したのかを表していて、本質的には同じなんです。

また、ここでもう1つ大事なことがあります。会社がお金を使うのは、それ以上に儲かると思ったからということです。

設備を買ったのならその設備を使って価値(製品やサービス)を生み出し設備の金額以上のリターンを得ることを期待しています。
給料を支払うのなら従業員の働きによって価値(製品やサービス)が生み出され給料以上のリターンを得ることを期待しています。

そう考えたら、なおさら資産と費用は似ているものだと思えてきますよね。

さらに、本質的には同じだということを表すもう1つの特徴が、資産も費用もどちらも借方科目だということです。ちなみに「借方科目」は、仕訳を書いた時に借方に書かれていれば増加し、貸方に書かれていれば減少する科目です。

上記の3点から、資産と費用は似ていると言えるのです。

資産と費用は似ている
  • どちらもお金がどういう状態にあるのか、何に変化したのかを表している
  • どちらも使ったお金以上のリターンを期待してお金を使っている
  • どちらも借方科目(借方に書かれていれば増加する)

でも、「本質的には同じって言うなら、何が違うの?」って思いますよね。すごくざっくり簡単に説明すると、効果が及ぶ期間が長いか短いかです。期間が長いと資産、短いと費用です。

ある会計期間内に効果が終わってしまうものを費用として、その会計期間を過ぎて翌期以降も効果が続くものを資産とするのです。こう聞くと「え?簡単じゃん?」と思えるかもしれませんが、甘く見てはいけません。これが簿記の根幹となる考え方です。

※この記事は資産と費用が似ていることを知っていただくための記事なので詳細は割愛しますが、会計期間については超重要な内容です。

詳しくはこちらの記事をご確認ください。以下のような内容を解説しています。

企業は「永久に続く前提のもと成り立っている」にも関わらず、
決められた会計期間で外部に成績を報告する」必要がある
→活動を人為的に一定期間で区切ってややこしい計算することになる
簿記がややこしいのではなく、ややこしい計算をするための素晴らしい技術が簿記

また、資産と費用が似ているという具体的な処理の例として、固定資産の減価償却があります。減価償却についてはこちらの記事で解説していますので、良ければこちらも見てみてくださいね!テキストではあまり語られない減価償却の真の目的を理解するため、一歩踏み込んだ解説をしています!

ここまでで資産と費用が似ているということについて見てきました。まとめると以下のようになります。
※ちなみに厳密には資産には貨幣性資産と費用性資産があります。ここでは費用性資産について書いていますが、まずはイメージとして理解してくださいね。

資産と費用は似ている
○どちらもお金がどういう状態にあるのか、何に変化したのかを表している
○どちらも使ったお金以上のリターンを期待してお金を使っている
○どちらも借方科目(借方に書かれていれば増加する)
●違いは会計期間を超えて効果が続くかどうか

純資産と負債と収益について

次に、純資産と負債と収益についてです。 これらについて、どのようなイメージを持っているでしょうか?

「純資産はなんかすごく良いものなんだよね
「負債は借金のイメージだから嫌なものだと思うよ!
「収益は嬉しいものでしょ~

こんなイメージを持っていませんでしたか?でもここまでこの記事を読んでいただいたあなたは少し予想できているかもしれませんね。そうです、この3つ、資産と費用と同じように実はとても似ているんです。

どう似ているかと言うと、純資産と負債は調達取引の1つの側面なんです。収益は回収取引の1つの側面ですが。ではここで調達取引や回収取引がどのような2つの側面を持っていたか確認してみましょうか。

調達取引の2つの側面

  1. お金が増える
  2. そのお金はどこから調達して、どんな性質のものなのか

回収取引の2つの側面

  1. お金が増える
  2. そのお金はどんな原因で(会社のどんな取引によって)増えたのか

調達取引も回収取引もお金が増えるという1つの側面があり、もう一つの側面としてその増えたお金が株主から調達した資本金(純資産)なのか、借入金(負債)なのか、商品を販売した売上(収益)なのかを表しています。

調達取引のところでは「お金をどこから調達したのか」という書き方をしていますが、それは言い換えればお金が増えた原因ですよね。ということで、純資産と負債と収益はお金が増えた原因を表すという意味で本質的には似ているんです。

そして、本質的には同じだということを表すもう一つの特徴が、純資産も負債も収益も全て貸方科目だということです。ちなみに貸方科目というのは、仕訳を書いた時に貸方に書かれていれば増加し、借方に書かれていれば減少する科目ということです。 ここは借方科目である資産と費用との対照だと思っていただいてもかまいません。

純資産と負債と収益は似ている
  • どれもお金が増えた原因を表している
  • どれも貸方科目(貸方に書かれていれば増加する)

そして資産と費用の時と同じく、本質的には似ているだと言うのなら何が違うの?という話になります。この3つの違いはここまでの説明のままです。それは、「どんな原因でお金が増えたか」です。増えた原因によってどの科目(要素)を使うかが決まってくるということですね。

先ほどまでの復習もかねて具体例を挙げてみましょう。

  1. 株主から調達したなら?→資本金など(純資産)
  2. 債権者から調達したなら?→借入金など(負債)
  3. 営業活動によって回収したなら?→売上など(収益)

※純資産と負債と収益の各科目については、返済義務の有無や経営に対する影響力など、お金が増えた原因という部分以外にも大きな違いがあります。

これで解説は終わります!

最後に資産と費用も含めてまとめておきますので、再確認してくださいね!

資産と費用は似ている
○どちらもお金がどういう状態にあるのか、何に変化したのかを表している
○どちらも使ったお金以上のリターンを期待してお金を使っている
○どちらも借方科目(借方に書かれていれば増加する)
●違いは会計期間を超えて効果が続くかどうか
負債と収益と純資産は似ている
○どれもお金が増えた原因と性質を表している
○どれも貸方科目(貸方に書かれていれば増加する)
●お金が増えた原因と性質の違いがそのまま要素の違いになる
●返済義務の有無や経営への影響力などの大きな違いもある

【まとめ】簿記の5要素を理解して基礎を固めよう!

今回は会計の簿記の5要素について書かせていただきました。

  • 会社の取引は3つに分かれる
  • それぞれの取引は2つの側面を持っていて、それを表現するのが複式簿記
  • 資産と費用は似ている
  • 純資産と負債と収益は似ている

このようなことを勉強してきましたね。

今回学んだことは簿記の基本中の基本です。ですが、あまり知らないまま簿記の勉強を進めている方も多いと思います。

今回の内容を理解したうえで勉強を進めると、各科目が5要素のどれになるのかも暗記ではなく自分で考えることができるようになっていきます。

記事の最初に挙げたこれらの質問には答えられるようになったでしょうか?

資産と費用について
  • 資産と費用が似ているということを理解していますか?
  • 資産と費用の違いは何ですか?
  • 資産が嬉しいもので費用が嫌なものと勘違いしていませんか?
負債と収益と純資産について
  • 負債と収益と純資産が似ているということを理解していますか?
  • 負債と収益と純資産の違いは何ですか?
  • 負債が嫌なもので収益と純資産が嬉しいものと勘違いしていませんか?

学び方が変わると勉強の楽しさは大きく変わってきます。この記事が少しでもあなたの簿記の深く楽しい理解を助けることができていたら嬉しいです!

これからも自分の言葉でかみ砕いて簡単に、でも意味や本質に重点を置いてお届けしていきますのでよろしくお願いします!

ではまた!

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