返品・値引きとは?違いと仕訳をわかりやすく解説
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こんにちは。まねきねこ(@lucky_cat_037)です。
「返品」と「値引き」、言葉の意味はなんとなく分かっても、いざ仕訳になると「どっちも仕入や売上を減らすの?」「何が違うの?」と迷ってしまいますよね。
この2つは、簿記の入り口でつまずきやすいポイントです。でも「なぜそうなるのか」という理由から押さえれば、混乱せずに書き分けられるようになります。この記事では、返品と値引きは何が違うのか、仕訳とあわせて丁寧に解説します。
この記事を読むと、以下のことがわかります。
- 返品・値引きとは何か、日常のイメージでわかる
- 返品・値引きの仕訳の書き方
- 返品・値引きと売上原価の関係
なお、返品・値引きは簿記3級の試験範囲です。返品は「品違いなどによる返品」が対象になります。値引きは出題区分表に独立した項目こそありませんが、返品とセットで3級の基本論点として扱われます。
さて、本題に入る前にここで軽く自己紹介をさせてください!
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返品も値引きも、どっちも仕入や売上を減らすんでしょ?じゃあ同じじゃないの?

仕訳の形は似ているけど、起きていることは別物なんだ。「商品が戻るか、戻らないか」がポイントだよ。理由から一緒に整理していこう!
なお、返品・値引きに割戻し・割引を加えた4つの違いをまとめて整理したい方は、こちらの記事もあわせてご覧ください。
返品とは:仕入返品・売上返品の仕訳を解説
返品とは、品違いや不良などの理由で、一度売買した商品をそのまま返すことです。商品が実際に戻ってくるのが大きな特徴です。
同じ返品でも、商品を返す買い手の側では「仕入返品」、商品を返してもらう売り手の側では「売上返品」と呼びます。立場が変わると、記録する仕訳も変わります。順番に見ていきましょう。
なお、この記事の例では、商品を掛け(後払い)で売買したケースを扱います。掛けで仕入れてまだ支払っていない代金が「買掛金」、掛けで売り上げてまだ受け取っていない代金が「売掛金」です。
仕入返品の仕訳
仕入返品とは、買い手が、仕入れた商品を品違いなどの理由で売り手に返すことです。
【具体例】
・A社から100,000円の商品を掛けで仕入れた
・そのうち5,000円分が品違いだったため返品した
返品した5,000円分は、もともとの仕入をなかったことにします。仕入を減らし、まだ支払っていない買掛金も同じだけ減らします。
| 借方科目 | 金額 | 貸方科目 | 金額 |
| 買掛金 | 5,000 | 仕入 | 5,000 |
商品が手元から出ていったので、その分の仕入を取り消すイメージです。
売上返品の仕訳
売上返品とは、売り手が、販売した商品を品違いなどの理由で買い手から返してもらうことです。立場が売り手側になるだけで、考え方は仕入返品と同じです。
【具体例】
・B社へ100,000円の商品を掛けで販売した
・そのうち5,000円分が品違いで返品された
返品された5,000円分は、売上をなかったことにします。売上を減らし、まだ受け取っていない売掛金も同じだけ減らします。
| 借方科目 | 金額 | 貸方科目 | 金額 |
| 売上 | 5,000 | 売掛金 | 5,000 |

仕入返品も売上返品も、結局はもとの取引を取り消すだけなんだね!

その通り!返品は商品が戻ってくるから、買った側は仕入を、売った側は売上を、最初の取引と逆向きに減らすんだ。立場は違っても「取引を取り消す」という考え方は同じだよ。
値引きとは:仕入値引・売上値引の仕訳を解説
値引きとは、商品の傷や品質の問題などを理由に、商品はそのままで価格を下げることです。返品と違い、商品は戻らず手元に残るのがポイントです。
値引きも同じです。値引きをしてもらう買い手の側では「仕入値引」、値引きをする売り手の側では「売上値引」と呼び、立場によって仕訳が変わります。
仕入値引の仕訳
仕入値引とは、買い手が、仕入れた商品の傷などを理由に、売り手から価格を下げてもらうことです。
【具体例】
・A社から100,000円の商品を掛けで仕入れた
・商品に少し傷があったため、5,000円値引きしてもらった
値引きしてもらった5,000円分だけ、支払う金額が減ります。仕入を減らし、買掛金も同じだけ減らします。
| 借方科目 | 金額 | 貸方科目 | 金額 |
| 買掛金 | 5,000 | 仕入 | 5,000 |
売上値引の仕訳
売上値引とは、売り手が、販売した商品の傷などを理由に、買い手に価格を下げることです。
【具体例】
・B社へ100,000円の商品を掛けで販売した
・商品に少し傷があったため、5,000円値引きした
値引きした5,000円分だけ、受け取る金額が減ります。売上を減らし、売掛金も同じだけ減らします。
| 借方科目 | 金額 | 貸方科目 | 金額 |
| 売上 | 5,000 | 売掛金 | 5,000 |

仕訳の形は返品とそっくりだよね。でも「商品が戻ったわけではない」という点が返品とは違うんだ。
返品と値引きの違いを整理しよう
ここまで見てきたように、返品と値引きは仕訳の形がよく似ています。どちらも仕入・売上を直接減らすからです。では何が違うのか、表で確認しておきましょう。
| 返品 | 値引き | |
| 理由 | 品違い・不良などで商品を返すから | 商品の傷・品質の問題があったから |
| 商品の動き | 商品が戻る | 商品は戻らない(価格だけ下げる) |
| 仕訳(仕入側) | 仕入を減らす | 仕入を減らす |
| 仕訳(売上側) | 売上を減らす | 売上を減らす |
| 発生場面 | 商品の売り買いの場面 | 商品の売り買いの場面 |
仕訳の結果は同じでも、返品は「商品が戻る」、値引きは「商品は残り価格だけ下がる」という違いがあります。


仕訳が同じなら、違いを気にしなくてもいいんじゃない?

実は大きな違いがあるんだ。ポイントは「商品が戻るかどうか」。この違いは、このあと説明する売上原価とも関わってくるんだよ。
返品・値引きと売上原価の関係
返品や値引きは、その場の仕訳だけでなく、決算で計算する売上原価にも関わってきます。どう関わるのかを、2つの理由に分けて見ていきましょう。

返品や値引きが、売上原価にまで関係するの?

そうなんだ。といっても難しくないよ。「仕入が減るから」「在庫が増減するから」という2つの理由で考えれば大丈夫!
理由①:仕入が減るから
三分法では、売上原価は当期に仕入れた金額をもとに計算します(くわしい計算方法は、このあと紹介する売上原価の記事で解説しています)。
そのため、仕入が減ると、その分だけ売上原価も減ります。
ここに関わるのが「仕入返品」と「仕入値引」です。どちらも当期の仕入を減らす取引でしたね。だからこの2つは、仕入が減ることを通じて売上原価に関わります。
理由②:在庫が増減するから
売上原価は、期末に売れ残った在庫(期末の商品有高)によっても変わります。
くわしい仕組みは売上原価の記事にゆずりますが、ここでは在庫が増えると売上原価は減り、在庫が減ると売上原価は増えるとおさえておけば十分です。
ここに関わるのが「仕入返品」と「売上返品」です。仕入返品は商品が手元から出ていくので在庫が減り、売上返品は売った商品が戻ってくるので在庫が増えます。商品そのものが動くこの2つは、在庫の増減を通じて売上原価に関わります。
4つの取引と売上原価の関係を整理
ここまでの内容を、返品・値引きの4つの取引ごとに整理すると次のようになります。
| 理由①:仕入が減る | 理由②:在庫が増減する | |
| 仕入返品 | ○ | ○(在庫が減る) |
| 売上返品 | − | ○(在庫が増える) |
| 仕入値引 | ○ | − |
| 売上値引 | − | − |
売上値引だけは、どちらの理由にも当てはまりません。売上値引は売上(収益)を減らす取引で、売上原価(費用)の計算には入らないからです。売上が減っても売上原価は変わらない、という点に注意しましょう。

同じ「売上が減る」でも、売上返品は売上原価に関わって、売上値引は関わらないんだね。

いいところに気づいたね!売上返品は商品が戻ってくるから在庫が動く。でも売上値引は商品は動かず金額だけ。この違いが、売上原価に関わるかどうかを分けるんだ。
なお、売上原価そのものの計算方法(決算整理の仕訳など)には、この記事では踏み込みません。詳しくはこちらの記事で解説しているので、あわせて読んでみてください。
まとめ:返品と値引きの違いを理由から理解しよう
- 返品とは、品違いなどで一度売買した商品を返すこと(商品が戻る)
- 値引きとは、傷などを理由に商品はそのままで価格を下げること(商品は戻らない)
- 仕入側は仕入を減らす、売上側は売上を減らす。返品も値引きも仕訳の形は同じ
- 返品・値引きは、売上原価の計算にも関わってくる
返品と値引きは、仕訳の形が同じでつい混同しがちです。でも「返品は商品が戻る」「値引きは価格だけ下げる」という理由の違いをつかめば、自信を持って書き分けられるようになりますよ。
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